「仏教にまつわる都市伝説が知りたい!」
「仏教には都市伝説のような話があるの?」
この記事を読んでいる方はこのように思っているでしょう。
日本に古来から浸透している仏教では、目を疑うような苦行や伝説が言い伝えられています。
そこで今回は仏教にまつわる都市伝説や都市伝説のような修行の数々を紹介!
人智を超えた逸話や厳しすぎる環境に驚きが隠せないでしょう。
世界三大荒行って知ってる?
荒行?なにそれ?
仏教の修行の事なんだけど、あまりにも過酷すぎるんだよね。
そんなに過酷なの?
過酷ってレベルではなかった。中には自分がミイラ化するまで、つまり死ぬまで動かない修行もあるくらいなんだよ。
仏教にまつわる都市伝説
日本に馴染みの深い仏教は、2500年前に生まれ、今から1500年ほど前、西暦552年に百済から日本に渡ってきました。
歴史の古い仏教には、数々の都市伝説が噂されているんですね。
ここでは、仏教にまつわる都市伝説を人ごとに紹介します。
今回紹介するのは以下の3人にまつわる都市伝説です。
- 仏教の開祖『釈迦』の都市伝説
- 仏教のカリスマ『空海』の都市伝説
- 仏教の僧侶『最澄』の都市伝説
それぞれ見ていきましょう。
仏教の開祖『釈迦』の都市伝説
仏教は、釈迦(本名ガウタマ・シッダールタ)という1人の男性が出家し、ひらいた宗教です。
1国の国王の息子として育った釈迦は幼少期から何不自由ない生活を送っていました。
しかしある日、国民が苦しんでいる姿を見たことをきっかけに「人は皆、老・病・死という苦しみを経験しなければいけないのか」と絶望し、出家を決意します。
仏教の開祖となった釈迦には、語り継がれる都市伝説があるんですね。
生まれてすぐ放った言葉は『天上天下唯我独尊』
「この世界に生きる人々は誰一人として尊いものである」
と生まれた直後に発言。
釈迦は生まれた直後に立ち上がって7歩歩き、右手で天を、左手で大地を指差したまま『天上天下唯我独尊』と説いたとされています。
事実かどうかはさておき、1人の発言が2500年後の未来でも語り継がれているのは驚愕ですよね。
2500年前に予言『月蔵経』
生まれた直後から悟りを開いていた釈迦は、生まれた時点で世界の終末が見えていたそうで、見えていた終末をまとめたのが『月蔵経』です。
あまりにも危険な内容だったため、弟子に指示し釈迦が生きている間は、封印していたようです。
人々は慈しみの心を忘れ、私利私欲に走り
悪行を重ね、争いが絶えない世の中となる。
親子関係が不和になり、年長者を敬わず、奇病が蔓延していく
上記は釈迦が予言した未来の一部です。弟子が釈迦の死後に内容を公開したんですね。
実際に世界各地で宗教上の争いや土地や資源の奪い合いで紛争は絶えず行われています。
また釈迦の死後、人々はペスト、スペイン風邪や天然痘、さらには新型コロナウイルスと奇病に悩まされてきました。
2500年も前の人が予言した内容とは思えないほど、現代社会と類似していますよね。
本当に釈迦には未来が見えていたのかもしれません。
他にも釈迦が予言した内容は、以下の記事で詳細に解説しているので、合わせてご覧ください。
仏教のカリスマ『空海』の都市伝説
仏教のカリスマ的存在とも言える空海。弘法大師とも呼ばれ、学校の授業で習ったことが記憶にある方もいるはず。
長期留学の学問僧として中国に渡り、真言宗を日本に伝授しました。
仏教界のカリスマ空海にはいくつもの都市伝説があるのをご存知でしょうか?
ここでは空海の都市伝説を紹介します。
1200年も空海に運ばれる食事
歴史上の人物として知られる空海は、実はまだ生きているのだそうです。
空海によって開創された真言宗の総本山『高野山』。高野山では空海は今も生きているとされていて、毎日朝6時と10時半の2回、食事が運ばれているんです。
数名の僧侶によって食事は運ばれているのですが、まずは毒味をすることからスタートします。
その後、空海の世話係を代々行なっている僧侶が先導して、空海が瞑想しているとされる御廟の中に入っていきます。
空海に届けられる食事は、伝統的な精進料理を中心としたメニューとなっていますが、パスタやシチューなど洋食メニューもあるのだとか。
また年に一回、空海が入定した日には、衣類も届けられているそうです。
一般の方はその姿を拝むことはできないので、真偽は確かめられませんが、1200年もの間、食事を運び続けているだけでも驚愕ですね。
空海は3度も崖から飛び降りている
空海にはたくさんの伝説があります。
そのうちの一つとして、崖から飛び降りても無傷で生還したとされている話があります。空海は、幼少期に出家をする前に自分の覚悟を図るため、崖から3度も飛び降りました。
一般の方であれば、ただの自殺行為にしかなりませんが、やはり空海はすごかったのです。3度とも無傷で生還し、仏門で生きていくことを決意したそうなんですね。
なんでも飛び降りた際に、釈迦と天女が雲の間から現れ、救ってくれたのだとか。
荒れ狂う航海から奇跡の生還
他にも空海には常人離れしているというエピソードが語り継がれています。
空海が遣唐使として中国に向かった際に4隻の船で海を渡っていましたが、航海の途中で嵐に遭い、2隻が沈没してしまいました。
空海が乗っていた船はなぜか無傷で無事だったそうです。
単に運が良かっただけという解釈ができますが、確固たる使命を持って生まれ、天から強いご加護を受けていた人物として崇められたんだとか。
湧水を湧出させる霊力
空海には霊力があったと言われています。
福岡県にある、まむし温泉は、空海が霊力によってできたと言われていたり、群馬県の川場温泉は空海が杖で地面を突いたことにより、豊富なお湯が湧き出したと言われています。
他にも国内の湧水スポットには空海の伝説が語り継がれているんですね。
この霊力は空海が行っていた『虚空蔵求聞持法』という修行の賜物だと言われています。
1日1万回呪文を唱え続ける修行を100日間継続する過酷な修行だったようです。
今となっては事実はわかりませんが、いずれにせよ、全国に名を轟かせたのは事実で多くの人に支持されていたんですね。
仏教の僧侶『最澄』の都市伝説
最澄といえば、比叡山延暦寺を建てた天台宗の開祖として有名です。
最澄は幼き頃から頭脳明晰で、仏教界では地位の確立した存在でした。先ほど紹介した空海ともタイプは違いましたが、良い関係を築いていたそうです。
空海とは解釈の違いから、別の宗派を確立したそうですが、最澄が後継者として育てていた泰範を取られたことにより決別することになりました。
最澄には、空海ほど人間離れしたエピソードはありませんが、語り継がれている伝説はあります。
最澄の灯した火は1200年消えていない
最澄が開いた天台宗の総本山として有名な比叡山延暦寺には、最澄がつけたという火が1200年消えずに燃え続けているのです。
『不滅の法灯』と呼ばれる火を守るために比叡山延暦寺の僧侶はいつも油が切れないようにしてきました。
しかし火に油を足す役目を背負った僧侶がいるわけではなく、僧侶が注意してこの大切な火を守ってきたのです。
このような伝説から最澄という人物の人間性が感じられますよね。
ちなみにこのエピソードからできた言葉が『油断大敵』だそうです。1200年間、火は消えることなく燃え続けていて、最澄の死後も意思は受け継がれていくのですね。
都市伝説のような仏教の苦行3選
ここまで仏教にまつわる人物の都市伝説を解説してきました。
ここからは、都市伝説のような実際に行われている修行を紹介していきます。
紹介する修行は以下の3つです。
- 確実死!自身の体をミイラ化『即身仏』
- 死者多数!『百日大荒行』
- 1300年で50人しか達成できない?『千日回峰行』
それぞれ解説していきます。
確実死!自身の体をミイラ化『即身仏』
即身仏(そくしんぶつ)とは、想像を絶するほど究極の苦行と言われています。
人間がその形状を留めたまま自然乾燥することで完成する即身仏は、いわば自身がミイラ化するまで耐え続ける修行のことです。
人々の救済を未来永劫、祈り続けるために行われるのがこの修行の目的となっています。
即身仏となる流れは以下の通りです。
- 腐らない体にするために米などの穀物を断つ『穀断ち』
- 土の中に入り読経する『土中入定』
- 3年半後に掘り起こされる
修行を行った全ての僧侶が即身仏になれるわけではなく、現存する即身仏は国内にある17体だけだそうです。
兎にも角にも、土中入定した時点で、死は確定しているということです。
現在では、法律で規制されていることもあり禁止されています。
死者多数!『百日大荒行』
百日大荒行(ひゃくにちだいあらぎょう)は、11月から2月の真冬に行われる日蓮宗の修行です。
100日間行われる修行なんですが、世界三大荒行の一つに数えられる過酷な修行なんですね。
修行の内容は以下のようになっています。
- 午前2時50分 起床
- 午前3時00分 読経しながら桶で水をくみ頭からかぶる水行
- 午前5時30分 おかゆと味噌汁のみの食事
- その後6時、9時、12時、15時、18時、23時に水行
上記のような1日を100日間にも及ぶ期間継続するのです。
就寝は最後の水行が終わってからなので、睡眠時間は3時間あるかないか。
またさらに、水行と水行の合間は声を張り上げてひたすら読経します。
衣服は木綿でできた薄い服で、修行中寝泊まりする建物には勿論暖房などはありません。
修行はあまりにも過酷すぎるため、亡くなってしまった方も出ている危険な修行なんですね。
1300年で50人しか達成できない?『千日回峰行』
千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)という京都にある比叡山の峰を巡る修行は、
百日大荒行と同じように世界三大荒行のうちの1つに数えられています。
千日回峰行は平安時代から行われている修行で、1300年近い歴史のあるなかで達成できたのは50人ほど、2回達成した人は3人だけという超がつくほど過酷な修行です。
修行の内容は以下の通りです。
- 1〜3年目までは1日に30km、260箇所以上の礼拝を100日間
- 4〜5年目は同じ行程をそれぞれ200日
- 6年目は1日約60kmの行程を100日
- 7年目は6年目と同じ行程を200日を巡り、前半の100日間は全行程は84km。最後の100日間は30kmの行程
上記の修行を終えると、合計1000日、約4万km歩いたことになり、地球一周分歩いたことになります。
さらに5年目の途中に行われる最も過酷な修行が、断食・断水・不眠・不臥でお堂にこもり、不動真言を9日間唱え続ける修行なんです。
要は9日間飲まず食わず、眠らず、横にもならずに、深夜2時に堂を出て近くで水を汲み不動明王にお供えをします。そしてその時間以外は、堂中で10万回真言を唱え続けるんです。
ちなみに人間が飲まず食わずで生きていられるのは、10日間と言われています。
まさに限界に挑戦するような修行なため生存率は50%、修行に入る前には生き葬式を行うそうです。
筆者の小言
いかがだったでしょうか。
今回は、仏教にまつわる都市伝説や都市伝説のような苦行を紹介してきました。世界三大荒行のうち、2つも国内で行われている事実に驚きが隠せませんでした。
厳しい修行に耐え抜いた先には、一般人には見ることのできない境地があるのでしょうか?百日大荒行や千日回峰行などは、全国各地で現在でも行われているそうです。